・独居死と孤独死との違い
阪神大震災以降、孤独死という言葉が世間に広く浸透しているため、独居死という言葉を聞いても皆さんはあまりピンとこないと思います。また、独居死と聞いて孤独死と同じ意味だろうと思っている人も大勢いると思いますが、それは間違いです。
・孤独死と独居死
孤独死を簡単に説明すると、「近親者や周辺の人をはじめ誰ともお付き合いがなく、一人寂しく亡くなり、その後長期間発見されない。」という状態を指します。次に独居死の説明ですが、「決して近親者が放っていたわけではなく、直前まで周囲が見守りをしていても亡くなったときに一人のであった場合」が独居死となります。
現在、孤独死の定義はあいまいで、上記に述べた「独居死」の場合であっても「孤独死」とされてしまっているのが実情で、孤独という言葉が阪神大震災以降独り歩きしている感があります。
・孤独による自殺者の増加
都会では、自殺する独身の男性が増えており、家族のない男性の自殺率が、同居する家族が一人でもいる男性と比べると、自殺率が確か6.8倍も高いことが調査で分かったそうだ。しかも、その男性が独身である場合、独身でない男性の1.5倍も自殺率が高いことが明らかになった。 悲しい現実である。孤独死とは少し違うが、彼らが孤独が原因で死を選んだことはほぼ間違いないだろう。
■<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用>■
・孤独死
孤独死(こどくし)とは一人暮らしの人が誰にも看取られる事無く、当人の住居内等で生活中の突発的な疾病等によって死亡する事である。特に発症直後に助けを呼べずに死亡するケースがこのように呼ばれる。
目次
1 概要
2 起きやすいとされる環境
3 死因
o 3.1 災害と孤独死
o 3.2 アルコール依存と孤独死
・概要
この言葉は日本で核家族化の進んだ1970年代に独居老人が死後だいぶ経って久し振りに訪ねてきた親族に発見されたという事件の報道で登場、同種の事例がたびたび発生した1980年代ごろからマスメディアに繰り返し用いられた。英語圏でもKodokushiで通じる。
特に隣家との接触のない都市部などにおいて高齢者が死後数日から数ヶ月(長いケースでは1年以上という事例もある)経って発見されるケースが過去に相次いで報告される一方、都市部に限定されず過疎地域での発生も懸念される。
当初、都会には人がたくさんいるにもかかわらずその誰にも気付かれず死んでいるという状況を指して「都会の中の孤独」という逆説的な死様として取り上げられていたが次第に「病気で周囲に助けも呼べずに死んでいった」ことがわかるにつれ、このような事態の発生防止が求められるようになったという経緯を持つ。
なおこの当時は一般的に都市部では人口が集中しているため、孤独を感じる人は存在しないと考えられていた。現在では都市部で人的交流が疎遠になりがちであることが広く理解され、孤独死が身近にも発生しうることが理解されるようになってきている(孤独の項を参照)。
独居者の死因を調査した際に倒れてから数時間以上(長いケースでは数日)にわたって生きていたと考えられる事例も少なからず見出され、福祉や災害援助の上では同種の死亡事件の予防が重要視されるようになった。このため1990年代より各所で様々な予防策が検討・施行または提供され、2005年現在では一定の効果を上げ始めている。
その一方で阪神・淡路大震災といった大規模災害では被災者の仮設住宅による生活が長期に及び慣れない住環境もあるが地域コミュニティが希薄なため隣人が異変に気付きにくく疾病で身動きが取れないまま死亡する人が出るという事態を招いており、この教訓から災害復旧時の孤独死防止が求められ予防策が講じられるようになってきている(後述災害と孤独死参照)。
2005年9月24日にNHKスペシャルで千葉県松戸市の常盤平団地における孤独死の問題が放映されたときは大きな反響を呼び、孤独死問題の社会的関心も高まってきている。
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突然死
独居者の突然死は孤独死には含まれないとはされるものの突然死する直前の心肺停止段階の場合は適切な救急救命医療(→救急医療)によって救命できる可能性もある以上、場合によってはこれに含まれるケースもあると考えられる。
自殺
孤独に耐えかねて自殺する人もいる。これは孤独死の範疇には含まれないが発作的に自殺を図ったものの途中で思いなおし、自殺を中断したにもかかわらず周囲に助けを求められなかったために結果的に死亡してしまった場合は孤独死の範疇に含まれるかもしれない。しかしこのようなケースでは自殺か自殺中断による孤独死かの判別がつきにくいため、暗数である。
その一方で死後長期間経過して遺体が傷み死因特定が困難なケースも多いことから、事件性の認められない変死でなおかつ周囲がその人が亡くなったことを長期間にわたって知らなかった場合には死因特定によらずに孤独死と呼ばれる。
なお病院などで身寄りもなく亡くなる高齢者もいるが、これは「孤独な死」には違いないが孤独死とは呼ばれない。類似するケース [編集]
これらの問題に絡んで近年増加中の老老介護(高齢者がその親を介護している事例)等でも介護していた側が急病などで突然死し副次的に動けない要介護者側が餓死するケースも多く確認されており、これも別の形の孤独死として問題視されている。
発生要因的には孤独死となんら変るところがなく特に要介護者側が3日〜一週間程度は存命している場合も多く、これの予防は他の孤独死よりも防止しやすいはずではあるのだがたびたび発生してはその都度、関係者の対応を含めて問題視される事態を招いている。
・起きやすいとされる環境
このような亡くなり方は特に都市部などの地域コミュニティが希薄な地域が多いとされ、また震災などによって地域コミュニティが分断されている場合にも発生しやすい。
当然、過疎地域等では民家が疎らであるため隣家が気付きにくい部分もある。なお生活様式では、以下のような特徴が挙げられる。
1. 高齢者
2. 独身男性(配偶者との死別を含む)
3. 親族が近くに住んでいない
4. 定年退職または失業により職業を持たない
5. 慢性疾患を持つ
6. アパートなどの賃貸住宅(隣家に無関心)
これらでは子供夫婦の家庭も核家族向けの賃貸住宅で身を寄せると子供や孫の生活に迷惑が掛かるとして遠慮して独居を選ぶ人も増えており、上に挙げたような状況に陥る人も少なくないことから潜在的な孤独死予備群は年々増加の一途をたどっていると考えられている。
なお2000年代後半に入っては、孤独死が社会問題として広く認識されるようになったことを背景に、70歳を越える後期高齢者への周囲の関心度が高くなる傾向があり、孤独死から長期間気付かれないなどの問題が抑制されているが、それと相反するように60代、特に65歳以下だと気付かれにくい傾向も見出せる。
愛知県の遺品整理企業社長である吉田太一は、こういった65歳以下の孤独死が気づかれにくい原因として、それらの高齢者がある程度は活発に行動することもあり、周囲が不在(突然に姿を見せなくなるなど)に気付いても、何らかの事情で住居を離れているのではと考えるなどして、結果死去に気付かないといった傾向も強まっていると見ている[1]。
性別に関しては、阪神・淡路大震災以降に被災者内に見られた孤独死事例やまたは随所で行われているその他の集計において男性は女性の 2倍以上の高率で孤独死しやすい傾向が見られる。これは女性は日常的な近所付き合いなどがある率が高いことが関係していると考えられ、男性は職場でこそ人間関係を持っていたが地域コミュニティに馴染むのが下手で周囲に異常が発見されにくく手遅れとなりやすいとされる(後述予防参照)。
・死因
これらでは心筋梗塞(循環器障害)や脳溢血(脳疾患)などといった急性の疾病発作などが直接の原因に挙げられるが、肺炎により日常生活が困難になって餓死するケースや肝硬変で意識不明に陥りそのまま亡くなるケースも報じられている。
また家の中で転倒して骨折して電話で助けを呼べずに衰弱死するケースもあり高齢者が多いながらも体力のある青年層や中年層でも、また成人病罹患者によらずとも高齢者以外が何等かの原因で助けが呼べずに衰弱して死亡するケースも見られる。特に近年の日本では、慢性的な不景気から生活に困窮してそのまま亡くなるという事態の発生も懸念される。
・災害と孤独死
先に挙げた阪神・淡路大震災では、震災から10年の間に仮設住宅と復興住宅生活者を合わせ560名以上が孤独死と見られる亡くなり方をしている。この中には冬季の仮設住宅にて体を冷やして肺炎によって衰弱したケースが多く、また生活が破壊されたことなどに関連してアルコール依存に陥って体調を崩しその体調不良も加わって孤独死を起こしやすい傾向も見られる。
・アルコール依存と孤独死
飲酒によって孤独感や虚無感を紛らわせようとして慢性アルコール中毒により肝硬変を患った結果、発作による意識混濁で助けを呼べずに死亡するケースも少なからず報告されている。これらでは孤独から飲酒などにより健康を害し易いという悪循環も危惧される。
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